ファンタスティック街道
ドイツ南西部、バーデン・ヴュルテンベルク州を縦断する、ヴァインハイムからコンスタンツまでの約400kmにわたる街道。「観光街道」に指定されています。また、ドイツ7街道の1つです。
「ファンタスティックなドイツ」を感じられる街道として人気があります。
ヴァインハイム→ハイデルベルク→シュトゥットガルト→テュービンゲン→コンスタンツ
※ハイデルベルクで古城街道と交差しています。
ファンタスティック街道の見所は、シュヴァルツヴァルト(黒い森)、ボーデン湖、カルフ、バーデン=バーデン、シュトゥットガルト、ホーエンツォレルン城、テュービンゲン、メーアスブルクなどです。
プライベートツアーでは歴史と自然を満喫できます。
ヴァインハイム Weinheim
ハイデルベルクの北約18km、マンハイムの北東約15kmのベルクシュトラーセ沿いに位置する街。ライン=ネッカー郡最大の都市です。ヴァインハイム(Weinheim)は、「ワイン(Wein)」からではなく、この地方を開墾した人々「ヴィーノ(Wino)の家(Heim)」に由来しています。
「ヴィンデック城趾」と「ヴァッヒェンブルク城趾」とがあることから『2つの城の都市』とも呼ばれています。
2つの城址のほかにも興味深い建造物が色々あります。
1557年建造の旧市役所、マルクトの泉、17世紀初頭のレーヴェン薬局、1731年建造の市教会、1911年建造の聖ラウレンティウス教会、1912年建造のペーター教会、1957年建造のマルクス教会など。
1537年建造のプファルツ選帝侯の城館「ヴァインハイム城」は現在市役所に使われており、1710年建造のドイツ騎士団庁舎は市立博物館に利用されています。
ハイデルベルク Heidelberg
山上の古城とその下に広がる城下町が際立つ街「ハイデルベルク」は中世の雰囲気が色濃く漂っています。
赤い屋根が美しい街並み、青いネッカー川に流麗なアーチの影を映しているカール・テオドール橋(アルテ・ブリュッケ)。橋の麓から山に向かって続く道の先には学生たちが思索に耽ったという「哲学者の道」があり、ハイデルベルクは学園都市でもあります。
アルテ・ブリュッケ(古い橋)の公式名称は「カール=テオドール橋」です。
この石造りの橋はドイツで最も古い橋の1つで、第二次世界大戦の末期、進軍してくる連合国軍を阻止するために国防軍によって爆破されましたが、1947年に完全復元。
橋のすぐ傍にはサルの像。サルが手に持っている金色の鏡を触るとお金持ちになれるという言い伝えがあります。
ドイツ三大名城の1つの「ハイデルベルク城」
(あと2つは「ノイシュヴァンシュタイン城」と「ホーエンツォレルン城」)
プファルツ継承戦争(大同盟戦争 1688-1697)で破壊されるまでプファルツ選帝侯の居城でした。1689年、ルイ14世の軍によって破壊され1693年に一部だけ修復された城趾の崩壊感に圧倒されます。城内には世界一の酒樽があります。
シュトゥットガルト Stuttgart
ドイツを代表する工業都市。緑地帯が広がる庭園都市。かつてのヴュルテンベルク王国の首都であり、美術館や音楽施設が充実した芸術都市としての性格も有しています。メルセデス・ベンツ博物館やポルシェ博物館もあります。
市の中心部には旧宮殿・新宮殿・広場・市役所・市場・ブロイニンガーデパートなどが並んでいます。
11月23日頃から1ヵ月間催されている「クリスマスマーケット」はドイツで2番目に古い歴史があり、期間中は訪れる人々でごったがえします。
メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)は1886年にカール・ベンツによって創設された世界最古の自動車メーカーの1つです。
巨大なメルセデス・ベンツ博物館には歴代の名車・近代のF1レーシングカー・商業車など、約80台のベンツの歴代の自動車が3つのフロアに展示されています。
船や・自動二輪・トラクターなどもあって、子供から大人まで楽しめます。
ポルシェ博物館(Porsche Museum)はポルシェを代表する約80台の名車が綺麗に展示されている、とても美しい博物館です。
館内にはカフェ・高級レストランもあり、グッズ・自動車関連の古書を販売しているショップも併設されています。
テュービンゲン Tübingen
ドイツ南部、バーデン=ヴュルテンベルク州に属する都市。テュービンゲン大学)で知られる古くからの大学都市で、多くの詩人と思想家を輩出しています。
教会広場に面した「ヘッケンハウアー書店」で無名だった頃のヘルマン・ヘッセが店員をしていました。
テュービンゲン大学
前身は1477年にヴュルテンベルク=ウラッハ伯エーバーハルト5世によって創設された「テュービンゲン神学校」で17世紀~19世紀にはルター派正統神学の拠点でした。
正式名は「エバーハルト・カール大学テュービンゲン」(Eberhard-Karls-Universität Tübingen)
ホーエンテュービンゲン城(博物館)
創建は1078年。ネッカー川と旧市街の間にある小高い丘の上に建つ古城です。現在は大学かつ博物館にもなっています。大学のコレクションを展示しています。
青いネッカー川から緑のシュヴァーベン田園まで一望できます。
ホーエンツォレルン城 Burg Hohenzollern
シュヴァーベンの海抜855mのホーエンツォレルン山上に聳え立つホーエンツォレルン城。ドイツ三大名城の1つです(あと2つは「ハイデルベルク城」と「ノイシュヴァンシュタイン城」)。この天空のお城から田園地帯が一望できるのも魅力です。
王妃の間(ブルーサロン)・伯爵の大広間などがあり、「宮殿」という感じです。ダイヤとサファイヤが鏤められた皇帝の冠はあまりの豪華さに目眩しそうなほどです。
カソリックの聖ミカエル礼拝堂
※最後の審判の日に「聖十字架」と「聖釘(せいてい)」と「聖槍(せいそう)」と「いばらの冠」をもってくるのは聖ミカエルだと言われています。
プロテスタントのキリスト礼拝堂
フリードリヒ4世が建立した礼拝堂です。王室の礼拝堂なので聖ミカエル礼拝堂よりずっと豪華です。
コンスタンツ Konstanz
ファンタスティック街道の南の基点。
バーデン=ヴュルテンベルク州の都市でボーデン湖に面しています。スイスのバーゼル州クロイツリンゲンとの国境の街でもあります。
コンスタンツのカーニバル
冬の終りに、春を告げるカーニバルが行われ、コンスタンツならではの独特な衣装を着た鼓笛隊が街を練り歩きます。街の人々は思い思いの仮装をして街に繰り出します。
ボーデン湖(Bodensee)
ドイツ・スイス・オーストリアの国境に位置する湖。アルプス地方ではレマン湖についで2番目に大きく、面積は約536平方キロ。
「コンスタンツ湖」とも呼ばれています。
シュヴァルツヴァルト Schwarzwald
バーデン=ヴュルテンベルク州に位置する森・山地。総面積は約5180平方キロ。
南北約160km。北はバーデン=バーデン、東はシュトゥットガルト、南はフライブルク、西はライン川の流れを挟んでフランス中東部のアルザス地方(アルザス=ロレーヌ)との国境にあります。一番高い所はフェルトベルク(Feldberg)の山頂で海抜1493m。
※Schwarzwald=黒い森
バーデン=バーデン Baden-Baden
バーデン=ヴュルテンベルク州に属する都市で、シュヴァルツヴァルト(黒い森)の北部に位置しています。ヨーロッパ有数の観光地・保養都市。
バーデン(Baden)=「入浴(する)」という意味です。バーデン=イン=バーデン(Baden-in-Baden)、つまりバーデンでバーデン(入浴)する→バーデン=バーデンとなりました。
約40km南西にフランスのストラスブール(シュトラスブルク)、30km北にカールスルーエ、約90km南にフライブルク、約20km東にカルフがあります。
カルフ Calw
バーデン=ヴュルテンベルク州に属する都市。シュヴァルツヴァルト北部にあり、ナゴルト川(ネッカー川支流)沿いに位置しています。
文豪ヘルマン・ヘッセの出生地。『車輪の下』には昔のカルフが描かれています。毎年7月9日・10日にヘッセ文学祭りが催され、ドイツ各地・各国から観光客も集まります。保養地としても有名です。
マルクト広場の突き当たりに「ヘルマン・ヘッセ博物館」(ヘッセの生家)があります。
メーアスブルク Meersburg
バーデン=ヴュルテンベルク州に属する都市。ボーデン湖畔に位置しています。小さくて美しい街です。観光地としてだけでなく、ワインの生産地としても有名。湖の対岸にはコンスタンツがあります。
ツェッペリン博物館では、ツェッペリン飛行船、当時の軍事技術などに関する様々な展示が見られます。
メーアスブルク城
ボーデン湖を臨む断崖に建つ古城・メーアスブルク城には旧城(Altes Schloss)と新城(Neues Schloss)があります。前者は7世紀、後者は18世紀に建てられました。
旧城は、居住されている城としてはドイツ最古だそうです。